雰囲気のある、市営の公衆浴場『鶴寿泉・地蔵泉』

 鶴寿泉入口の軒下にはベンチがあって、ここでタオルを肩に涼む人の姿は、明礬温泉らしい風景の一つ。観光客にも“無料”で開放されているこの市営温泉は、温泉にうるさい別府市民が一目置く温泉で、市街地からわざわざ訪れる人も多いほど。そして何より、長く長く地元の人に愛されてきた温泉です。名付け親は、明礬温泉を飛び地として支配してきた久留島藩の領主。この地を訪れた時、村人がここにお殿様だけの浴室をこしらえ、それを大層喜んだ久留島候がこう名付けたといいます。古くは下の湯、鶴亀温泉と呼ばれていたことも。泉質は殺菌性の強い酸性で、乳白色をしています。

 そして、ただいまお休みになっている地蔵泉もマニアにはたまらない明礬温泉の個性を色濃く映す市営温泉。硫黄泉ならではの薫りが風呂上がりにもしばらく続くのは明礬温泉の特徴でもありますが、観光客の多くは、この「薫りのお持ち帰り」を喜んでいる様子です。地蔵泉ならではの風情が今は味わえないのが残念です。

鶴寿泉HP  地蔵泉HP

右)日本の風景、下町の温泉の風景がここにある 下左)無料であっても入口にある賽銭箱には、素晴らしい温泉に入湯できた感謝の気持ちを 下中・右)こちらが地蔵泉(ただいま休業中)

いかにもありがたそうな鶴寿泉の入り口

地熱地帯に造られた浴場は、その洗い場もほんのりと温かい。
“別府の至宝”と温泉名人たちも絶賛