受け継がれてきた先人のこだわり『岡本屋旅館』

 古くは、泉都別府の人たちも逗留したという明礬。先祖は玖珠・久留島藩の飛び地であったこの地の山奉行。旅館を営むようになってからも五代目となる老舗の旅館です。当時のたたずまいをそのまま今に残し、純日本家屋でありながら、タイルや摩りガラスにも当時のモダンさがうかがえる貴重な建物は、別府様式の流れをくんで、新たな新鮮さで訪れる人をもてなしています。それら建物に囲まれるように広がる日本庭園。
 その庭園に寄り添う露天風呂は、何とも不思議な青磁色をしています。青みがかった白濁の湯は、目に映る美しさを超える薬効と、まろやかで優しい肌触りが特徴。大きな露天風呂は野趣あふれ、毎日のようにその趣を変える中で、春には満開のツツジが湯面に映え、冬には別府名物のザボンが浮かびます。
 話題となった伴田良輔さんの著書『猫のいる宿』でも紹介されたこの旅館。著者の目にとまった猫・クロちゃんには6ページものページが割かれていて、当のご本人は、今も元気に、そしてしなやかに宿のどこかに現れ、お客様をクロちゃんなりに温かく迎えるのです。

0977-66-3228  岡本屋旅館HP

右)貴賓室として造られた部屋が今は「特別室」として宿泊できる 下左)別府明礬橋を眺めるこの景色も岡本屋ならでは 下中)明礬では最も大きな庭園露天風呂。湧きだすまま、溢れるままの自然湯。だから、色も湯量も毎日違う 下右)建物もスタイルも昔のまま。さり気なく守りつなぐやさしさ、そして伝統

明礬では最も古い旅館の一つで、明治、大正、昭和の建物が混在する

自噴する温泉の噴気が料理にも活躍。季節をとりいれた料理は明礬の四季を眺めながら