月満ちて、お湯満ちて。月に誘われ、名月とともに名湯に浸かる夜。

 中秋の名月は旧暦の8月15日と決まっていますが、今の太陽暦にあてはめると今年は9月22日でした。日本では、十五夜にあたる中秋の名月とともに、旧暦の9月13日(今年は10月20日)十三夜と呼ばれる「後の月」もお月見をする風習が残っていて、どちらか片方だけお月見をするというのはあまり好まれないようです。

 そして楽しみなのが、この時にお供えされるお団子やお餅。日本には古くから“お月見どろぼう”という風習が残っていて縁側や玄関先にお供えされたお団子などを子どもたちにたくさん盗んで行ってもらうのだそうです。これは、盗まれれば盗まれるほど縁起がいいそうで、日本版のハロウィンみたいです。

 明礬温泉の旅館でも、ススキを飾り、お団子やお芋をふるまう宿もあれば、夕食のお料理に月に見立てた一品を添える宿もあります。しかし、何よりの名物は、この明礬温泉からしか臨むことのできない、それぞれの“名月”があることです。秋の夜空に高々とあがる月。その月は、波静かな別府湾を照らし、水面に揺れます。明礬温泉ならではの名月スポットからは、海と別府明礬橋と名月、この絶景を望むことができるのです。


 さて、月といえば明礬温泉のロゴマークにも月がデザインされているのにお気づきでしょうか。明礬温泉の“明るい”という文字。そこには“日”と“月”が重なり合っています。つまり、お日様とお月様です。明礬温泉の人々は、この土地を誇りに思う反面、お日様やお月様に例えてしまうなんて、もったいないと思っていました。

しかし太陽の光で命あるものが生き生きと輝くように、また、闇夜の月明かりが日本人の心にそっと染み入るように、訪れる人の心や身体を癒し、届く場所でありたいと願う思いは一つだと感じるようになったのです。そんな明礬温泉からの“特別な月”、一度ご覧になってみませんか。

A. 岡本屋旅館では毎年大分県の銘菓『荒城の月』をお供えしている B. 新芋を温泉の噴気でふかしたそのおいしさといったら C. 不思議な狸。月夜に太鼓は叩かないが、仕舞っておいてもなぜか鎮座ましましていることがあるとか D. 地元明礬うどんの女将さんが描いたお月見マップ。シンプルだけど、ホントにここ E. 明礬温泉ならではの絶景。山の湯展望風呂からの眺め。明礬 湯の里の大露天岩風呂では湯舟に映る中秋の名月を鑑賞できる F. 十五夜の月は、別名「芋名月」と呼ばれ、十三夜の月は「栗名月」と呼ばれるとか G. こちらが明礬温泉のロゴマーク。ちょっと照れながらも、「太陽のように、月のように」と願う思いは温泉のように熱い